2012年11月2日金曜日

メッシとアルゼンチン。攻守の不均衡の中で


アルゼンチンのサッカー代表戦を見るかと聞かれてマラドーナ。

「いや、恐怖映画は見ないんだ」

ボールが自陣に入るたびに怖い思いをするというのが、その理由だった。それほどに、今のアルゼンチンの守備は「お粗末な状態」なのだという。

そのお粗末さを露呈してしまったのが、南米W杯予選第2節。ベネズエラに「まさかの敗戦」を喫してしまった。メディアは「歴史的敗北」と書き立てた。



「メッシが出場する試合で満員御礼にならないのは、アルゼンチンだけ」

そういう皮肉も言われる。バルセロナという世界一のクラブで活躍するメッシも、アルゼンチン代表の中に入ってしまうと、どこか精彩を欠いてしまう。それが「バルサのメッシ」と言われる所以であり、アルゼンチンのメッシではないのである。



アルゼンチンで窮屈そうにしていたメッシに、鮮烈なゴールが飛び出すのが南米W杯予選第4節のコロンビア戦。過酷なアウェーで後半一気に巻き返し、メッシは劇的な逆転勝利の立役者となった。

試合後のメッシはこう言っていた。「アルゼンチンの人々と心を一つにして戦っていくうえで、我々はこういう試合を必要としていた」

そして、その言葉通り、メッシはこの試合を皮切りにアルゼンチン代表で6試合連続ゴールを決めていくことになる。その結果、「やっと、メッシが活かされるチームになった」という意見も聞かれるようになっている。



強まる攻撃陣。メッシと連携するアグエロ、ディマリア、イグアインは、メッシも含め4人全員が「ビッグクラブのエース格」。試合数を重ねるごとに、彼らの精度は上がっている。

一方、恐怖映画の守備陣。こうした攻守の不均衡は、今のアルゼンチンの課題だとのことである。





ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 11/8号
「アルゼンチン 手つかずの守備と破壊力を増す攻撃陣」

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