「またちょっと、お腹が空いちゃって(笑)」
女子バレー、33歳の守護神「佐野優子(さの・ゆうこ)」は、トルコでその空腹を満たそうと、トルコリーグの強豪ガラタサライに移籍した。
「オリンピック後は『もうバレーはお腹いっぱい』って感じでしたけど(笑)」
「さすらいのリベロ」
彼女をそう呼ぶ人もいる(リベロとは守備専門の選手)。
確かに佐野の経歴を見ると、「ユニチカ → 東レ → RCカンヌ(フランス) → 久光製薬 → イトゥサチ(アゼルバイジャン) → ガラタサライ(トルコ)」と、3年から長くとも5年で、転々と移籍を繰り返している。
「私、海外に行くことを『挑戦』って言われるのがすごく嫌で…」
なるほど、彼女にとっての「海外」は何も特別なことではなく、「自然な選択」なのだ。
「ただ日本より海外のほうが得るものが多いと思うから、海外を選択するだけ」
今回、「さすらいのリベロ」が選択したトルコという国のリーグは、「イタリアのセリエAに代わり、世界最高峰と呼ばれるようになった」と言われるほど、各国代表選手や監督を集めている。ちなみに、各国の強豪が集う欧州チャンピオンズリーグでは、ここ2年連続でトルコが優勝している。
日本からは昨季の狩野舞子、今季の木村沙織に続き、佐野優子は3人目となる。
最後に、佐野は気になることを言っていた。
「海外のほうがスポーツとして扱ってくれている感じがして…」
日本のVリーグは、その多くが企業チームから成る。佐野は2003年、東レを退社したときに移籍同意書が得られず、リーグ戦に出場できなくなるという宙ぶらりんも経験している。
世界の事情を知る彼女にとって、日本のVリーグは少々肌に合わないのかもしれない。
料理の世界でも世界3大料理と呼ばれるのが「トルコ料理」。
きっと、佐野のお腹も心も満たしてくれることだろう。
ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 12/6号
「さすらいのリベロがトルコリーグを選んだ理由」
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