2012年11月24日土曜日

お腹の空いた「さすらいのリベロ」佐野優子(女子バレー)


「またちょっと、お腹が空いちゃって(笑)」

女子バレー、33歳の守護神「佐野優子(さの・ゆうこ)」は、トルコでその空腹を満たそうと、トルコリーグの強豪ガラタサライに移籍した。

「オリンピック後は『もうバレーはお腹いっぱい』って感じでしたけど(笑)」



「さすらいのリベロ」

彼女をそう呼ぶ人もいる(リベロとは守備専門の選手)。

確かに佐野の経歴を見ると、「ユニチカ → 東レ → RCカンヌ(フランス) → 久光製薬 → イトゥサチ(アゼルバイジャン) → ガラタサライ(トルコ)」と、3年から長くとも5年で、転々と移籍を繰り返している。



「私、海外に行くことを『挑戦』って言われるのがすごく嫌で…」

なるほど、彼女にとっての「海外」は何も特別なことではなく、「自然な選択」なのだ。

「ただ日本より海外のほうが得るものが多いと思うから、海外を選択するだけ」



今回、「さすらいのリベロ」が選択したトルコという国のリーグは、「イタリアのセリエAに代わり、世界最高峰と呼ばれるようになった」と言われるほど、各国代表選手や監督を集めている。ちなみに、各国の強豪が集う欧州チャンピオンズリーグでは、ここ2年連続でトルコが優勝している。

日本からは昨季の狩野舞子、今季の木村沙織に続き、佐野優子は3人目となる。



最後に、佐野は気になることを言っていた。

「海外のほうがスポーツとして扱ってくれている感じがして…」

日本のVリーグは、その多くが企業チームから成る。佐野は2003年、東レを退社したときに移籍同意書が得られず、リーグ戦に出場できなくなるという宙ぶらりんも経験している。

世界の事情を知る彼女にとって、日本のVリーグは少々肌に合わないのかもしれない。



料理の世界でも世界3大料理と呼ばれるのが「トルコ料理」。

きっと、佐野のお腹も心も満たしてくれることだろう。





ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 12/6号
「さすらいのリベロがトルコリーグを選んだ理由」

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