「やり直せ!」
ピッチ上のそんな声とともに、日本のサッカーは、いったん攻撃の手を緩め、ボールを下げて「やり直す」ことがある。
「たとえば、前方へのパスコース、あるいはドリブルするためのスペースを見つけられなかったとする。そんな時は、無理に『確率の低い攻撃』に打って出る必要はない(Number誌)」
つまり、「無理せずにやり直す」のだ。
しかしどうやら、そんな消極的なバックパス、ヨーロッパでは認められない。
ヨーロッパの場合、それがホームチームであっても、バックパスにはスタンドからブーイングが浴びせられるのだという。
「おいおい、攻める気あんのかよ(怒)!」と。
日本の土壌で育った選手は、意外とバックパスへの「抵抗感」が少ないのかもしれない。ところが、ヨーロッパでは間違いなく「ブーイングのターゲット」となってしまう。
「それが長友佑都や清武弘嗣であろうと、バックパスに容赦はない(Number誌)。
それもそうだ。サッカーはボールを前に運んで、相手ゴールに近づいてなんぼ。強引にでも守備をこじ開けなければ、勝ちも近づいてこない。
「あくまでも『やり直し』は、前方向への狙いを持ったなかで行われなければならないのだ(Number誌)」
しかし残念ながら、Jリーグでも高校サッカーでも、「やり直し」によって攻撃が停滞してしまうことが少なくない。ボールが前に進まずに、シュートにも至らない。
ひょっとすると、日本のサッカーは「あきらめ」が早すぎるのかもしれない。そして、「やり直す」のも早すぎるのかもしれない。
やり直すのは、ボールを失ってからでも遅くない。もう一度、相手から強引にボールを奪い返して「やり直せばいい」。
世界の「強引さ」は、日本の比ではないのだから…。
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ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 4/4号 [雑誌]
「『無理せずやり直す』という日本スタイルの功罪」
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