——大久保嘉人の書く文字が、こんなにも丁寧で美しいとは、失礼ながら想像していなかった。この本のエンディングには、大久保嘉人が父に宛てた手書きの書簡がそのまま掲載してあった(Number誌)。
その手紙とは、父の遺書への返信である。
生前、大久保嘉人の父は「朝からビールを飲み、仕事先では喧嘩ばかり」。家庭は貧困生活。
大久保は語る、「俺が国見に行っている間には、莫大な借金を抱えていた。俺がプロになっていなければ、家族はどうなっていたか、想像もできない」
——そして父が患ったC型肝炎と肝硬変、肝臓がん。抗がん剤の副作用で精神も安定せず、ナイフを振り回した父の車椅子をおす息子。本書ほど正直で、泣き笑いがあり、読み応えのある一冊にはなかなか出会えない(Number誌)。
白い封筒に入った、父の遺書にはこうあった。
「日本代表になれ。空の上から見とうぞ」
ソース:
Number (ナンバー) コートジボワール戦速報 2014年 6/25号 [雑誌]
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