2012年10月29日月曜日

カネをかけずに常勝集団と化した「日本ハム(野球)」


なぜ、「日本ハム」はこれほど強くなったのか?

パ・リーグの優勝は最近7年間で4度目。7年連続で勝率が5割を超えている。「7年連続というのは、パ・リーグで最長の数字だ」。



7年前といえば、日本ハムが北海道移転後に初優勝を遂げた2006年。それ以前、日本ハムはじつに24年間も優勝から遠ざかっていた。勝率も22年間、2年連続で5割を超えたことはなかった。それがなぜ、この7年間で「常勝集団」へと変貌したのか?

しかも、今年はエースのダルビッシュ有が抜けたのではなかったか? そして、その補強はなし。開幕前の下馬評が低かったのも無理はない。しかしそれでも、日本ハムはパ・リーグ優勝を果たしたのだ。







特筆すべきは、「FA選手獲りには参戦せず、抜けた穴はドラフト選手で賄うというやり方だ」と、小川勝氏は述べる。

まず、日本ハムはこの黄金の7年間に、FA選手の争奪戦に加わったことはない。唯一FAで獲ったのは稲葉篤紀選手だけだが、この時は争奪戦なしで獲得している。

補強といえば「新人ドラフト、トレード、そして外国人選手だけ」。その当たり率が凄い。ドラフト1位指名が一軍の戦力にならないこともままあるなか、日本ハムの1位指名選手はみな強力な戦力になっている(ダルビッシュ有、八木智哉、陽岱鋼、吉川光夫、多田野数人、中田翔、中村勝、斎藤佑樹)。

「これだけ続けて1位指名選手が戦力になっている球団は、非常に珍しい(小川勝)」



FA選手獲りに走らない日本ハムは、人件費を膨張させることがなかった。日本人選手の年俸平均は3,558万円。ソフトバンク、西武よりも少ないパ・リーグで3番目の金額('07年は5番目、'09年は4番目)。

つまり、日本ハムはカネをかけずにチームを優勝するほどに強くしたのであった。



まさに「日本版、マネー・ボール球団」。

「常勝ハム」は決して高級ハムではなかったということだ。





ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 10/25号
「常勝ハムの作り方」

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