「メリットがはっきりしないコストは削減せざるを得ない」
それが「企業の論理」。
「『エスビー食品』の陸上、そして『パナソニック』のバスケットボール、バドミントンと、歴史ある企業スポーツの名門が、相次いで今季限りの『休・廃部』を明らかにした」
パナソニックは今年3月期、7,721億円という「創業以来の大赤字」を計上。バスケットボールとバドミントン、2つの休部は「大ナタ」の一環であった。
一方のエスビー食品は、利益は減ったとはいえ、過去3年間の売上は安定している(1150億円前後)。それでも陸上部が削減の対象となってしまったのは、ここ数年、世界選手権、オリンピックなどに代表選手を送り込めなかったからなのかもしれない。
日本のバブルが弾けて以来、企業がバックアップするスポーツは「減少傾向」にあるという。
エスビー食品もパナソニックも、国内での知名度は十分に高いため、「スポーツで社名が露出するメリット」がなくなってしまったのかもしれない。
パナソニックのバドミントンは「女子選手10人で、年間運営費は1億円あまり」。大企業にとってはそれほどの負担ではない。しかし、もう一度繰り返せば、「メリットがはっきりしないコストは削減せざるを得ない」。これが「企業の論理」だ。
企業がスポーツから離れ行く中、陸上競技などでは「個人単位の支援」が増えているという。公務員ランナーの川内優輝選手のように、選手個人が「独自の支援環境」を獲得していくしかないのである。
また、バスケットボールのリンク栃木やレバンガ北海道などは、「親会社を持たないプロチーム」である。
もはや企業に頼り切ることはできない。新たな資金調達の道を見つけることが、これからのスポーツ選手たちに求められている。
それは、スポーツの道以上に険しい道のりかもしれない…。
ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 10/25号
「相次ぐ名門の休・廃部。競技を続けるカギとは」
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