2013年1月31日木曜日

「サッカー界の小僧でいよう」。なでしこ監督・佐々木則夫の覚悟


「人生というのは、あなたの思い通りにならないようにセッティングされています。それをどう克服するのか」

この一文に目が触れた時、なでしこジャパンの監督「佐々木則夫(ささき・のりお)」氏は目が覚めた。



「自分は目の前の出来事から逃げようとしていたのかもしれない…」

そう思い至った佐々木監督の胸には、ふたたび闘志が沸き上がってきていた。



そして、次の一文によって、監督続投への肚(はら)は決まる。

「もし、この体に限界がないなら、今の心のまま永遠に行が続いてほしい。人生生涯、小僧でありたい」

そうだ、自分も「サッカー界の小僧でいよう」、佐々木監督はそう決意していた。






このエピソードは、女子サッカーなでしこジャパンの佐々木監督がテレビで語ったものである(テレビ東京・ワールドビジネスサテライト、スミスの本棚)。

佐々木監督がお気に入りの一冊として紹介したのは、塩沼亮潤氏の「人生生涯小僧のこころ」。

塩沼亮潤・大阿闍梨は、およそ9年間(1,000日)にわたって往復48km、高低差1,300mの山道を毎日16時間かけて歩き続ける荒行を満行した人物。そして本書は、その体験記である。



この本を読んだ時の佐々木監督は、なでしこジャパンをロンドン五輪の銀メダルに導いた直後であり、それと同時に契約期間満了を迎えた時のことだった。

「退任か、続投か?」

彼の心はその間で揺れ動いていた。



本書に描かれた、小僧の心のままに行に徹するという大阿闍梨の覚悟。

その覚悟に触れた佐々木監督の胸には、「初めて代表監督を引き受けた時と同じ熱いもの」が再燃してきたという。

そして、それが続投という次の一歩を佐々木監督に踏み出させたのであった。



「永遠に行が続いてほしい」

生命の限界を試される荒行の渦中にあってなお、塩沼亮潤・大阿闍梨はそう思っていた。

そして佐々木監督もまた、修行に身を投じるがごとく、覚悟を決めたのであった…!






ソース:致知2013年2月号
「なでしこジャパン監督、佐々木則夫氏の決断を支えた一冊」


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