2013年6月15日土曜日

ブラジル決戦直前。ネイマールと本田 [サッカー]



イングランド戦を控えていた「ブラジル代表」

スコラーリ監督は、「どの背番号を付けたいか」をブラジルの選手たちに聞いて回った。



「10番!」

ブラジルの「伝統的な背番号」を、あっさりと口にした選手がいた。

それは「ネイマール」21歳だった。







「サッカー王国と呼ばれるブラジルにおいて、『背番号のもつ意味』は他のどの国よりも大きい。とくに『10番』はサッカーの神様ペレなど、歴代の偉大な選手たちが背負ってきた番号だ(Number誌)」

スコラーリ監督は、ネイマールの希望通り、彼にその「10番」を手渡した。

監督は語る。「ネイマールは非常に優れた選手であり、アスリートだ。戦術的にも完成されつつあるし、強烈なリーダーシップも持っている」



この「新たなブラジルの10番」に期待するのはスコラーリ監督ばかりではない。

「ブラジルの目の肥えたファンたちは、これから1年後に自国開催となるW杯で、ブラジルが優勝するためには『ネイマールの活躍』が欠かせないことを分かっている(Number誌)」



現在のブラジルの攻撃陣において中心となっているのは、カカでもロナウジーニョでもない。「ネイマール」だ。

「チャンス・メイカーとして、スコアラーとして、時にはエンターテイナーとして。ファンやメディアは『ネイマールのブラジル人らしい美技』を愛している(Number誌)」



だが、期待されたイングランド戦では「2-2」の引き分けに終わった。

現在のブラジルは「FIFAランク22位」と低迷している。イングランドと引き分けるようでは、さらに格上の「スペイン」や「ドイツ」に勝てるのか?

「楽観的なブラジル人でさえ、『ブラジルが勝つ』と言える人は少ないだろう(Number誌)」



それでも、ネイマールはずっと楽観的だった。

「今日のブーイングが明日には『賛辞』に変わる。サッカーとはそんなものさ」






そのネイマールのいるブラジル代表と、日本はコンフェデレーションズカップで対戦する。

前回のブラジル戦、日本代表は「0-4」と大敗を喫している。

その敗戦で露呈した日本代表の弱さは、「大量失点を招いた『カウンターへの対応の甘さ』だった」と、元日本代表の福西崇史は指摘する。



「相手のミスや弱点を、一瞬のスキを突いて一気呵成に仕掛けるカウンター。それがブラジルの長所。結果的に日本はブラジルの術中にハマり、大敗していしまいました」と福西。

では、その対策は?

「カウンター対策の基本は、守備ではなく『攻撃の改善』にあります。攻撃をシュートで終わらせれば、必然的にカウンターのリスクを回避することができます」と福西は言う。

「ブラジル相手にも通用するのは『本田圭佑のキープ力』。それを発揮させたいですね」







元日本代表監督「ジーコ」氏は、日本・ブラジル戦の「接戦」を予想する。

「ブラジルはまだ先発の11人や理想のフォーメーションが決まっていない。模索している段階だ」とジーコ氏。

だが、日本代表に対する懸念も口にする。

「日本の選手は、一つのことに備えているところに、たとえばドリブルやとっさのプレーや個人技など、何か『ほかの事態』が起きると混乱する傾向がある」

たとえば、ネイマールのような「個」の強い選手には、かき乱されやすい。



一方、現監督であるザッケローニ氏は、「コンフェデレーションズカップで何が起きるか楽しみにしている」と語る。

「23人の全選手は『準備万端』だ」

そう言ったあと、少し間をおいたザッケローニ監督、最後に

「私たちの士気は高い」

そう言った。



エース本田圭佑は

「勝ちに行く。それは揺るがないです。超強気で行きます」

そう力強く語っている。







(了)






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ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 6/27号 [雑誌]
「ブラジル 王国の運命はネイマールとともに」
「打倒ブラジルのキーマンは本田」

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