「完全復活」か?
3月のアーノルド・パーマー招待を制した「タイガー・ウッズ」。今季3勝目にして、ツアー通算77勝目を達成。
「そのプレーぶりには、かつての『強い』というイメージよりは、むしろ『熟達した盤石さ』が漂う(Numbrer誌)」
思えば4年前、2009年末に「不倫騒動」を巻き起こしたタイガーは、その後の2シーズンを未勝利に終わっていた。
復調の兆しは昨季から。昨年、年間3勝を上げた勢いのままに、今季は早々に3勝目を上げたのであった。
「29ヶ月ぶりに世界一の座に返り咲いた(Number誌)」
メジャー大会では、ジャック・ニクラスの歴代1位、メジャー通算18勝という偉業に、タイガー・ウッズは「あと3つ」と迫る。
かつてそのニクラスは、こんなことを言っていた。「タイガーの素晴らしいところは、カッとなっても2秒で切り替えられることだ」。
「その沈着さを完全に取り戻した感のあるタイガー。もしかすると、プレーの冷静さは『絶好調のとき以上』かもしれない(Number誌)」
まさに、世阿弥のいう「離見の見」。37歳になるウッズは、プレーしている自分の姿を客観的に眺めているかのようである。
世界中が一斉に「復活」と報じた時、タイガー自身は冷静にこう返していた。
「起こるべくして起こったことだ」
タイガーは、「すべての時間を練習とトレーニングに費やしてきた」と語った。
ふたたびニクラスの言葉。
「プレッシャーの中で戦うことが中毒になるくらい愉しいと思えること」
それが彼の勝利を導いたのだ。
タイガーが次なる勝利を目指すメジャー大会は、魔女が棲むといわれる「オーガスタ」。
このコースと相性の良いタイガーは、このコースの最小打数(270)と通算スコア(−18)という最高記録をもつ(ともに1997年)。
オーガスタの魔女は「スポットライトを浴び続けさせるより、苦労話や悲話に溢れる人物を表舞台に引っ張り上げるのが好み(Number誌)」とも云われる。
そんな魔女の好みを考えると、「今年の優勝候補の筆頭はタイガー・ウッズだ」。
かの不倫騒動から始まった悲話をとりあえず締めくくるには、「オーガスタでの完全復活」が最も相応しいストーリーだろう…!
(了)
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ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 4/18号 [雑誌]
「タイガー・ウッズ、完全復活の日は近いのか」
「オーガスタの魔女はマスターズで誰に微笑むか」
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