「野球はソフトバンク・ホークスで盛り上がってるよ。今の相撲は、単に面白くないだけじゃない?」
大相撲は人情厚い「博多っ子たち」に見捨てられたのか?
大相撲一年納めとなる「九州場所」であるが、1998〜2011年まで実に14年ものあいだ、「初日に『満員御礼』が出ていない」。とりわけ、2000〜2002年の3年間は「15日間の開催期間中、一度も満員御礼が出なかった」。
かつての九州場所といえば、「111日間にわたり、満員御礼の垂れ幕が下がり続けていた時期」もあった。空前の相撲ブーム(若貴など)に沸いていた1989〜1997年までの9年間である。
しかし、そんな栄光も今や昔、過去最高を記録した約13万人(1997)から、昨年は約5万3,000人のワースト記録(6割減)。下り坂を下る一方である。
九州場所の客の入りは、年6回行われる本場所中で「最も悪い」と指摘されている。
それは、他場所とチケットの販売方法が違うこともその一因。通例、「茶屋」と呼ばれる相撲案内所がチケットを販売するのだが、なぜか九州にその茶屋がない(東京20軒、大阪8軒、名古屋3軒)。茶屋には贔屓筋や固定客がついており、企業等が年間で升席を確保していることも多い。
その茶屋がないことで、九州場所のチケット販売が振るわず、景気などの影響をモロに受けてしまう。折り悪く、今月7日に発表された九州地区の鉱工業生産指数(9月)は、「9ヶ月ぶりに下方修正」されている。
さらに、角界全体も低迷が続いている。相次ぐ不祥事(八百長問題など)に加え、横綱など上位力士に日本人が少ない。大関以上の7人のうち5人までが外国人力士だ(約7割)。
それゆえ、「新弟子」も少なくなっている。20年前のピーク時(1992)の223人に比べると、今季は75%減のたった56人。史上最低記録であった。ちなみに、いわゆる「タニマチ(後援者)」も減り続けている。
さてさて、そんな中で開催された九州場所。
案の定(?)、初日に「満員御礼」は出なかった。それでも昨年よりは「8%くらい多かった」らしい。
「横綱が2人になった効果もある」
今場所は、新横綱・日馬富士(はるまふじ)を迎え、16場所ぶりに東西両横綱がそろった。惜しむらくは、白鳳・日馬富士ともに「モンゴル出身」の外国勢ということではあるが…。
「千秋楽に関しては『満員御礼』が出せそうだ」と楯山親方(九州場所部長)。
しかし、町の人の声は「いっそのこと、相撲が盛んな青森など、東北地方に開催場所を移したら?」と厳しいご意見。
「むべなるかな…」
ソース:
Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 11/8号「不入りが続く九州場所。その打開策はあるのか?」
ロイター「逆風下の大相撲と九州経済」
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