2013年7月3日水曜日

なぜ、「セ」より「パ」の方が強いのだろう? [野球]



セ・パ両リーグの戦うプロ野球「交流戦」

やっぱり、今年も「パ・リーグ」の方が強かった。

「今年もまた『パ・リーグの勝ち越し』で終わった。パ・リーグ80勝、セ・リーグ60勝、引き分け4で、パ・リーグの勝ち越し数は『20』。これは2010年の22、2011年の21に次ぐ『史上3番目』の数字である(Number誌)」



じつはこれ、近年ばかりの傾向ではなく、交流戦が始まってから9年間ずっとそうである。

「この9年の間にセ・リーグが勝ち越したのは『1回だけ(2009)』。交流戦の優勝チームも、セ・リーグでは『巨人の1回だけ(2012)』。あとの8年間はパ・リーグ(Number誌)」







なぜ、パ・リーグの方が強いのか?

DH制(指名打者制)を採用しているからだろうか? DH制というのは、投手が打席に立たなくてもよい制度で、セ・リーグは採用していない。

「DH制を採用しているリーグの方が優位に立っているのは、じつはアメリカの大リーグも同じである(Number誌)」



だが、数字としてより明らかなのは、セ・パ両リーグの「平均年俸の差」である。

リーグ平均で見ると、セ・リーグは「3,908万円」、パ・リーグは「3,552万円」。パ・リーグの方が「10%ほど少ない」。それなのに、交流戦での勝ち数はパ・リーグの方が「30%以上多い」。

「つまり、パ・リーグの方がずっとよい投資をしていることがわかる(Number誌)」



今年の場合、交流戦で優勝した「ソフトバンク」の平均年俸は「4,152万円」で両リーグで3番目。2位の「楽天」などは「2,964万円」で10番目という低年棒。

一方、セ・リーグの最上位である3位「巨人」の平均年俸は「6,155万円」。楽天の2倍以上であり、両リーグの最高額である。



これは今年限りの傾向ではなく、交流戦が始まって以来9年間ずっと、リーグの平均年俸はセ・リーグの方が高い。だが、強いのは皮肉にも低年棒のパ・リーグの方なのである。

「こうなると、戦力への的確な投資、チーム作りの上手さ、監督・コーチによる試合運びといった点において、パ・リーグの方が総じて優れていると考えるほか説明がつかない(Number誌)」

「パ・リーグは2004年の『球界再編騒動』以来、つねに危機感をもってチーム作りを行なってきた。交流戦での勝ち越しは、やはりその反映なのだろうか(同誌)」













(了)






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ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 7/11号 [雑誌]
「やりくり上手のパ」

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