2013年9月5日木曜日
外国人選手と、国内育成選手との兼ね合い [サッカー・イタリア]
イタリア、プロサッカーリーグ「セリエA」
本田圭佑がこのリーグの名門「ACミラン」への移籍が破談に終わったと、日本でもたいそうな話題になった。
ところが、当のイタリアでは「セリエAは外国人選手を減らすべきではないか?」との論調が盛んであるという。
Number「セリエAに在籍する外国人選手の数は、2006-2007シーズン(6年前)は全体の『29.4%』に過ぎなかったが、それ以降年々増加し、昨シーズンには『54.7%』を記録(集計『ガゼッタ・デッロ・スポルト紙』)」
6年間で、その数はほぼ倍増。現在では所属選手の半数以上が外国人なのである(ちなみに最多はアルゼンチン人50人。次いでブラジル人43人)。
イタリア・サッカー協会のアリゴ・サッキ氏は、こう苦言を呈する。「各チームを見てみると、外国人が多すぎて、もはやイタリアのリーグとすら思えない」
「カターニャ」においては、登録選手18人のうちアルゼンチン人が半数近い8人もおり、イタリア人よりも多い。
ユース部門のコーディネーターであるサッキ氏は、「イタリア代表(アズーリ)にも悪影響を及ぼすだろう」と警告している。
というのも、昨今のセリエAの地位低下にも関わらず、外国人選手が増え続けている。ということは、スター選手はプレミアリーグ(イングランド)やリーガ(スペイン)に流れ、セリエAに来るのは「手っ取り早くまずまず使える『安い外国人選手』」ばかりだと言うのだ。
そうした「安い外国人選手」がセリエAにあふれることで、国内の下部組織では時間をかけて若手を育成するという手間を怠るようになっているとう。
確かに、代表が好調なスペインのリーガでは、外国人選手の割合は『35.5%』に過ぎない(セリエAは先述のとおり54.7%)。
Number誌「スペインでは、下部組織で育成された選手を起用すべきという風潮が強く、この点がイタリアやイングランドとは大きく異る」
ちなみに、イングランド・プレミアリーグの外国人選手率は『55.1%』とセリエA並みに高い(日本からも香川真司、吉田麻也)。
はたして、その国のリーグにとって、外国人は国内選手を損ねるのか?
セリエAの歴史上には、魅力的な外国人選手も多く、彼らはイタリアに花を添えてきた。ジーコ、プラティニ、ジダン…。
日本の大相撲だって…
(了)
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ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 9/5号 [雑誌]
「アズーリ凋落の原因は外国人選手にあり」
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