2012年10月15日月曜日
スポーツ選手を苦しめる資金難。その一助のために…
「先月は大会が週末ごとにあったため、収入は月に一万円程度でした」
そう明かしたのは、プロサーファーの高橋みなと選手。その生活は不安定なアルバイトにより賄われているのだという。
「資金不足」というスポーツ選手にとっての高き壁は、何も彼女に限ったことではない。オリンピック代表選手ですら、厳しい内情を抱えているのが現実だ。
「海外遠征では、テントを張って寝たり、川でエビを捕まえて食べていました」
こんなエピソードを披露したのは、ハンググライダーの鈴木由路選手。
それでも、海外まで行けるのはいい方だ。アームレスリングの山本祐揮選手は、全日本選手権で優勝していながら、資金不足のために世界選手権の出場を断念せざるを得なかった。
かの「なでしこジャパン」とて、誰も見向きもしない時期が長かった。彼女たちはその努力も相まって、めでたく陽の当たる場所へと躍り出たが、それは稀有な例だ。圧倒的大多数のアスリートたちが、陽の当たらない場所で苦しみながら、消えていっている…。
こうしたスポーツ選手の不遇な現状を何とかしようと立ち上がったのが、株式会社マルハンの社長・韓裕氏。昨年から始まった「マルハン・ワールドチャレンジャーズ」の立役者だ。このプロジェクトは世界を目指すアスリートの活動資金を支援することを目的としている。
今回、最高額の300万円を獲得したのは高校3年生、自転車の小橋勇利選手。高校総体では史上初となる高校1年生での優勝を果たしている。彼には卒業後のヨーロッパ行きの資金が必要だった。夢はツール・ド・フランスでの優勝だ。
「これ以上、家族に負担をかけられない」と思い極めていた小橋選手は、賞金獲得が決まると、感極まって涙が止まらなかった…。
「夢をあきらめずにやり続けることの尊さ」
マルハンの韓裕氏は、それを心から応援したいと思っている。
「夢に向けての第一歩」
そこでつまずかせるわけにはいかないのだ。
出典:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2012年 10/11号
「資金難に苦しむアスリートを支援し、世界へと送り出す」
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