2014年6月13日金曜日
人間山脈ギリシャ [サッカー]
今年(2014)3月
ギリシャは韓国に完敗を喫した。
0-2
ギリシャ代表監督のサントスは「この試合はミスの見本市のようだった」と不満を隠さなかった。
勝利した韓国、「日本のほうが上」とコメントを発した選手もいた。
この結果を受けて「ギリシャ弱し」ともささやかれた。
ちなみにギリシャは、ブラジルW杯で日本が2番目に戦う相手だ。
しかし、目があり耳があるサポーターたちはギリシャへの警戒を解こうとはしない。
「ギリシャは、負けることが許されない真剣勝負に強い」
実際、W杯予選の終盤、5連勝を記録して本大会へのキップをもぎとっている。
ギリシャのスタイルは、伝統的な「堅守速攻」。
その堅い守りによって、W杯予選10戦中、8試合を完封。人間山脈の異名をもつ。
過去の日本との対戦においても、2005年のコンフェデレーションズ杯、日本は20本近くシュートを放ちながら1点しか決められなかった。全員で粘り強く守るギリシャの試合は、つねに「0-0」や「1-0」といったロースコアで終わるイメージがある。
「堅実な守備というのは、もはやギリシャ・サッカーのDNAになっている」とサントス監督は語る。
そうした堅守から繰り出される鋭いカウンター攻撃。錐のごときフィニッシャーは、不動の1トップとして君臨するミトログル。W杯予選5得点を決めたエースストライカーであり、両足に頭とゴールパターンも多彩。
——ミトログルは、国内強豪オリンピアコスで12試合14得点と驚異的な数字を叩き出し、欧州CLではギリシャ人初となるハットトリック(1試合3得点)を記録。今冬にはかつて稲本潤一が所属したフルアム(イングランド)への移籍も果たした(Number誌)。
サントス監督はポルトガル人でありながら「わたしの半分はギリシャ人だ」と言う。
それほどギリシャサッカーとの関係は深く、10年以上にもおよぶ。代表監督の前には、3つのクラブで5年にわたり指揮をとっている。当然、ギリシャ語もお手のものである。
W杯で対戦することになる日本に対しては、「カガワやウチダはよく知っている。欧州CLでもよく見ているから。日本はそれらの個が優れているだけでなく、チームが組織だっていて全員が献身的にプレーする。彼らの武器、スピードと敏捷性には苦しめられるだろう」と語る。
ギリシャ歴代監督のなかで最大勝率を記録してきたサントス監督。
W杯後の退任をすでに発表している。その契約満了日は6月30日。ちょうどグループリーグの終了する頃である。
「でもチームが勝ち進んで、契約を数日延長せざるを得なくなることを、私は信じているよ」
(了)
ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2014年 7/17号 [雑誌]
ギリシャ「真剣勝負で光る 伝統の堅守速攻」
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