2013年6月3日月曜日
マラソンと「チーズ・バーガー」。心臓への負担
「マラソン」と「チーズ・バーガー」
両方とも同じくらい「心臓に悪い」という。
マラソンのような耐久スポーツをやる人々には「鋼鉄のイメージ」がある。にわかに、彼らの心臓が「ガラスのように」なっているとは信じ難い。
だが「過剰な運動」によって心臓が損なわれるという証拠は増えている。具体的には、心房細動(不整脈の一種)や冠動脈疾患に脆弱になることがある。
「最近の研究によれば、1週間に30マイル(約48km)以上のランニングをすると、運動による健康上の恩恵が消え去る恐れがあるという(WSJ)」
「心臓病は『燃焼』からくるものであり、過剰な運動もやはり一貫して自分の身体を燃焼させることになる。もし運動の疲労が癒されない場合、心臓病と関係がないはずがあろうか」
心臓電気生理学者のジョン・マンドロラ氏は、そう言う。
アイアンマンの覇者ノーマン・スタドラ―選手は、2011年に巨大大動脈瘤を治療するための緊急手術を受けた。研究では、耐久スポーツと肥大大動脈根との関連が示されている。
今まで、「マラソンは寿命を6年延ばす」と言われてきた。
確かに、まったく運動をしない何千人の人々たちよりも、適度に運動をしている人たちの方が健康のはずだ。
ここで議論の的になっているのは、1日7km以上(1週間で48km)走るような激しいランニングである。
ところで、かつてスポーツ医学には、臨床的な「警告サイン」を無視してきた歴史もある。
たとえば「水分の過剰摂取がマラソン・ランナーの命取りになる恐れがある」という警告を、多くの専門家たちは長らく無視し続けた。そして、ランナーには「できるだけ多くの水分を摂るように」と奨励し続けた。
だが、1998年のシカゴ・マラソンで死亡した女性の死因は、先見の明のある人々が恐れていた「水分の過剰摂取」だった。43歳の彼女には、ゴールで待つ3人の子どもたちがいたというのに…!
英スポーツ医学誌「British Journal Sports Medicine」は、この事実を嘆いた(2006年の記事)。
「証拠が最初に出てきてから受け入れられるまでに、なぜ20年もかかるのか…!」
今まで、マラソンが心臓を弱めるとは考えられていなかった。
むしろ「心疾患の予防効果がある」という神話さえあった。
だが、その神話は今、覆されようとしている。
ポール・ウィリアムズ氏の10年以上にわたる研究のうち、研究対象のランナー2,377人のうち526人が亡くなったが、その死因は「71.5%が心血管疾患」だった。
研究結果によると、ランニングの距離が1日7.1km、ウォーキングならば1日10.7kmを超えると、心臓と大動脈に過度の負担がかかるようであった。
この論文の結論は、こうだ。
「過度の運動は、死亡率を大幅に増やす」
(了)
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ソース:The Wall Street Journal
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