2012年9月24日月曜日
新マネーボール? お荷物たちの逆襲。メジャーリーグ
「万年最下位」
アメリカ、メジャーリーグの「ナショナルズ」は、そんな弱小チームだった。「'08年、'09年は100敗を超え、30球団中最低の成績に甘んじていた」。
ところが今シーズン、そのナショナルズが「首位」を快走中だ。
何があったのか?
幸運は、最下位であったことから呼び込まれた。
メジャーのドラフトには、「勝率の悪いチーム」から指名していくというルールがあり、そのおかげで、ナショナルズは「何十年に一人」といわれる大物投手、スティーブン・ストラスバーグを獲得したのである。
「莫大な契約金が予想されたが、果敢に指名した」
そう語るのは、「デイビー・ジョンソン」監督。昨年6月、68歳という高齢を押して、その座についた大物監督である。
ジョンソン監督は、現役時代に日本(巨人)でもプレーしていた経験がある。監督としての戦績も目覚しく、1986年にはメッツを世界一に導いている。15年間の監督としての勝率は「.564」。これは存命中の監督としてはアール・ウィーバーに次ぐ第2位だ。
ジョンソン監督は現役時代、そのウィーバー監督の指揮下にあったこともあり、当時、「綿密に分析したデータ」を手渡したことがあるという。
「彼(ウィーバー監督)は、それをほとんど見ることもなく、ゴミ箱に投げ捨てたけどね」と、ジョンソン監督は笑う。
ジョンソン監督は、「メジャー屈指の智将」と言われるだけあって、コンピューターを駆使したデータ作りには定評がある。
「セイバー・メトリクス(野球を統計学的に分析すること)が脚光を浴び始めているけど、私は1970年代からやっているんだよ」
今年のメジャー・リーグ終盤戦を沸かしているのは、かつての「お荷物球団」、この「ナショナルズ」だ。今年、彼らの「逆襲」が始まったのである。
各チームの実力伯仲はますます加速。
「新マネーボール」の逆襲やいかに?
出典:Sports Graphic Number 2012年 9/27号
「終盤戦を盛り上げるお荷物集団、逆襲の秘密」
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